映画大好き2歳児の話

 我が家には2020年生まれの子供がいます。この子はこの記事を書いている時点で2歳6ヶ月です。とても映画が好きで、2時間集中して見続けていることもあります。

 この記事は、そんなうちの2歳児についての記録を残すためのものです。エピソードが追加され次第追記します。

1. お気に入り作品リスト

 2022年9月27日現在での、うちの子が見たことのある映画の好感度について、下記リストにまとめてみました。

用語解説

A: カタログ収載済み

 我が家では、言葉の拙い2歳児でも好きな映画を指定できるようにと、上映映画を手作りのカタログから選ぶ方式にしています。映画のポスターや作中の場面を印刷したものをファイルにして、どんな作品か、どんなキャラクターが出てくるかを視覚的に識別できるようにしています。

 ○: そのカタログに収録している作品。指差しで指定できるもの。

 ー: まだカタログに含められていない映画。子供が言葉等で指定した場合に上映する。

B: 何度も見る作品

 一度子供に見せた後、繰り返し繰り返し見たがるようになった作品です。

◎: 再生の要求頻度が高い作品。一日に何周も、連日見ることもある

○: 時折見たがる作品

△: 自分から指定して見たがるときもあるが、飽きている時間が長い

ー: 「これが見たい」と自ら指定してくることがない

 

全: 全編を通しで見続けるほど集中して見ている作品

部: 好きな部分だけを繰り返し見たがる作品。他のシーンは遊びながら暇つぶしをして、好きなシーンが来るのを待っている。

 

C: 親のお気に入り

 親が気に入っている作品。子供の「好き」と、程度が重なっている作品も少なくないですが、親が好きでも子供が全然見たがらない作品も少なくありません(特に初期のディズニーアニメ等)。

 

2. 子どもの発達具合

 2歳半時点での子供の発達具合と、それが映画鑑賞中にどのように表れるかについて列挙します。

(1)認識

  • 自分のわかるもの、知っているものが作中に出てくると指差しで教えてくれる(カラスがいた、セミが鳴いている、魚が泳いでいる、等)
  • 動作を真似する(キャラクターの動きの真似、ぬいぐるみやおもちゃなどを使ったシーンの再現など)
  • 感情の言語化:物言わぬキャラクター(動物やロボットなど)が感じている感情を推測し、それを言語化する(「こわい」「待って」「どこかな〜?」等)
  • 同じ食べ物を食べたがる(ハム、りんご等)
  • 台詞の暗唱:全てを真似することはできないが、キャラクターと同じタイミングで同じセリフの音を発することがある(暗記していないと重ねることはできないタイミングで話す)

(2)表現

  • 言葉の理解度、名詞の認識している数の多さはある程度保たれている様子があるが、発音にやや稚拙さを抱えている。
  • 発することができる音の組み合わせと速度に限界があり、流暢に話すことができない。
  • ジェスチャーや歌(メロディ)、ぬいぐるみやおもちゃ、指差しなどにより、自分が認識している内容をアピールしてくる。
  • 目の前で指し示せるモノが存在していると、それを名詞の代わりとして使用し、自分が伝えたい内容を伝えることができる。
発音の稚拙さの例
  • パンダ→「ぱん」
  • トトロ→「とと」
  • ルパン→「んぱん」
  • テト→「ぇと」
  • ウォーリー→「ぉーぃー」
  • ポニョ→「ぉぬょ」
  • リサ→「ぃしゃ」
  • カーチス→「あーちしゅ」
  • R2-D2→「あーちゅー」
  • BB-8→「びーびー」
  • Highway to the danger zone→「あーべー んーじゃー んじょーん」
  • 「やーいおまえんち、おっばけやーしきー」→「きー」
  • 「待ってー」→「あってー」
  • 「怖い」→「ぉわい」
  • 「あれー?」→「あぇー?」
  • 「飛行機は美しい夢だ」→「っこーぃ、っくぃー、んぇだ!」

(3)日常生活への反映

ぬいぐるみ・おもちゃ遊び

ジブリ宮崎駿系】

  • 子供-パンダのぬいぐるみ-ママの並びで手をつないで並び、足踏みをして「パンダコパンダ」のOP映像の真似
  • 逆立ちをして「パンダコパンダ」のミミコの真似
  • トトロのどんどこ踊り
  • 白い布を持ってぶんぶん振って、MAMMA AIUTOが降参するシーンの真似
  • 痛い思いをした時に、テトのぬいぐるみにペロペロ舐めてもらうと元気になる。
  • 紐がついたぬいぐるみをぐるぐる回してナウシカの真似
  • 肩や胸元にテトのぬいぐるみを置く
  • チコの実の代わりにアラザンを手に乗せて食べる。テトのぬいぐるみにも食べさせる。
  • メーヴェで飛んでるマネをしたくて親に持ち上げてもらう
  • ポニョのハムのシーンを見ながらハム(ビアソーセージ)を食べる
  • お花を差し出すマネをしてロボット兵のマネ
  • FIAT500のミニカーを持って壁を走らせながら、「カリオストロの城」の真似

トップガン

  • トップガン」「トップガンマーヴェリック」に出てくる、F-14、F-18、P-51、ダークスターを見分け/使い分けて遊んでいる
  • F-18でコブラ機動の真似
  • 飛行機のおもちゃを旋回させるときは 外周側をより高く飛ばす真似をして遊ぶ
  • F-18二台持ちで背面合わせの真似(なお尾翼を持ってしまうので同じ方向ではなく互い違いになりがち)
  • ビーチバレーのシーンでアイスマンのボール回しのマネ
  • パパお手製のマーヴェリック風フライトジャケットにサングラスをして自転車にまたがり遊び回る(マーヴェリックの飛行場でバイクに乗るシーンのマネ)

【洋画系】

お風呂でのごっこ遊び
音楽について
  • 車に乗るとまず最初にリクエストしてくる曲が「スターウォーズのテーマ」
  • 主題歌以外でも、サントラを聞くと作品名を言い当ててくる
  • 楽器でサントラのメロディを演奏すると作品名を言い当ててくる
  • サウンドトラックやイメージソング、テーマ曲でも一緒に歌える範囲で歌おうとする

【音楽を把握している作品と、曲名】

航空科学館での様子
  • 行きの新幹線よりも航空科学館の中のほうが興奮の仕方が数十倍やばい。
  • 5時間ずっと興奮しっぱなしで走り回る。
  • 展示してある飛行機と似たおもちゃを持っているとそれを取り出して見比べる。
  • アメリカ軍人の家族に話しかけられ、返事はできなかったが、自らF-18のおもちゃを選んで取り出して差し出す。
  • 実物展示機のコックピットに座りたがる(コロナ対策のため実機搭乗は不可)。
  • 飛行機のコックピット体験スペースでずっと座りたがり、操縦桿を絶対に手放そうとしない。何度引き剥がしても戻って来る。他の子が居ないことを確認するとすぐ座ろうとする。
  • 操縦席に座るときは、マーヴェリック仕様のフライトジャケット(父の手作り)を着て乗りたい、と希望してくる。
  • フライトシミュレーターなどの操縦席に座るときは絶対に一人がいい。ママが一緒に座るのは嫌。
  • 風立ちぬ」の九試単座戦闘機の模型が展示されているのを目撃して、初めて親に対して「ほーしーい!」と叫ぶ(なお、お土産屋さんにも航空機のおもちゃはたくさんあったがそれらに対しては「ほしい」と言わなかった)
  • 航空科学館から帰宅してすぐに「風立ちぬ」が見たいとリクエストし、カプローニの「飛行機は美しい夢だ」という台詞の後に、嬉々としてママに向かってその台詞を何度も復唱していた。
  • 帰宅後「風立ちぬ」を2周見る。

3. 映画以外に与えているコンテンツ

 「映画ばかり見せているから映画を好きになったのでは?」と思われるかもしれませんが、我が家では映画を見せるようになる以前から、他の作品も見せています。そもそもyoutube kidsについては、一番低年齢に設定して自由閲覧状態にしてあります。本人が自由に操作できるスマホおよびタブレットを用意しており、本人のリクエストで番組を検索、上映することもあります。

 上記は本人が希望すれば準備して見せていますし、こちらからそれらを見るかを提示し確認する場合もあります。

 しかしながら現状、こうしたコンテンツを見せても、本人から強く希望される頻度が高いのは、前述した映画たちであることのほうが圧倒的に多いです。

4. 親の趣味との乖離

 我が家はもともと映画好きの夫婦です。そのため自宅には簡易的な70インチのホームシアターシステムがあり、子供が映画を見る際は主にそこで見ています。なお、ソフトがブルーレイではないトップガンマーヴェリック、ジュラシックパークジョーズ等は子ども用タブレットでも閲覧できるようになっています。

 子供が親の趣味と共通の趣味を持つ、というと、以下のような仮説が浮かぶかと思われます。

  • 親がそればかり見せているからそれを好きになったのではないか?(選択肢の制限)
  • 親が楽しそうに夢中になってそれを見ているから、理解したくなってそれを見るようになったのではないか?(興味が誘導されているパターン)
  • 親に話を合わせたくて一緒に見ているのではないか?親がそれでしか遊んでくれない、喜んでくれないからではないか?(親に気を使っているパターン)

 しかしながら、前述の表をよく見ていただくとおわかりいただけるかと思いますが、親が夢中になり、熱く語り合うほど好きな作品であっても、子ども自身が全く興味を示さないという作品もいくつかあります。中には、そうした作品の上映中に子供から上映作品の変更を指定される場合もあるほどです。

 親が子供に対して、映画の内容を説明したり、そこに登場している動物などについて注意を引いたりなどしても、全く興味を持たない場合さえあります。

 その一方で、親がすごく熱中してみているわけでもない作品を、子供が好んで見ていることもあります。親が予め見ることを止めるよう声がけをする作品であっても、押し切って見たがる作品もあります(例: ジョーズ)。ジョーズについては、本人はホオジロザメのシーンが大好きで、ホオジロザメのぬいぐるみを持って映画と一緒にごっこ遊びをしながら夢中になって見ています。

 

 このことから、この子における映画に対する「好き」は、かなり子供個人の中で独立して生じている感情なのではないか、と私達は推測しています。